4月26日(水)「第10回一般・高校工生向けセミナー」を開催しました。
第10回は【人工知能を農学分野に活用する ~画像認識機械学習による支援~】の演題で、
木村彰男 データサイエンスG兼任教員(理工学部准教授) が講演を行い、
62名の参加者に熱心に聴講いただきました。
人間の「知能」をコンピュータに持たせようとする研究分野/技術の総称が「人工知能」です。
人工知能を実現するためには、機械学習モデルに、沢山のデータを学習させます。
機械学習モデルは、入力データに対し、何らかの結果(=出力)を導き出す仕組みになっており、
①教師あり学習 ②教師なし学習 ③教化学習と大きく3つの学習方法があります。
人工知能の活用として、機械学習モデルに魚の切り身に関するデータを学習させ鮮度予測をしてみた結果、ほぼ100%に近い正答率を達成できました。
また、作物の収穫量の予測では、機械学習を用いた穂の検出(2次元的画像解析)だけでは、収量そのものを予測することは困難で、ドローンで撮影した画像群からいね群落そのものを3次元復元する試みにも取り組んでいます。
現在のAI技術は、特定のタスクがあれば、すでに人間に匹敵する以上の性能を示しているものも多くあります。
今後は、AI技術や情報技術が「どう活かすか」「何に応用するか」といった使う人間側の知恵や工夫が問われます。
今回のセミナーでは、AI技術や情報技術がどのように農業分野で活躍するのかを、適用事例について具体例を挙げて、大変わかりやすく丁寧に説明されておりました。
参加された皆様からは、たくさんの質問を寄せられたほか、「機械を使った農業がこの先農業界を引っ張って行くのだろうということがよくわかった」、「AI技術が農業の生産性や効率化について役立つことにつながってほしい。」、など感想が寄せられました。
また、参加された高校生は、「農学部への進学を志望しているが、大学を選定するにあたり、岩手大学についてよく知りたかった」など進路の参考にされていたようです。
次回は5月24日(水)に
【食としての水産物の多様性と健康機能性】と題し、
袁春紅 食と生活部門兼任教員(農学部教授)が講演を行います。
今後も毎月1回程度継続的に開催し、当センターの研究成果を
日常の身近な話題に落とし込みながら地域に向けて発信していきます。
ご参加をお待ちしております!