11月15日(水)「第16回一般・高校生向けセミナー」を開催しました。
第16回は【脂質の機能 ~プラスマローゲンというリン脂質を知ってますか~】の演題で、
西向めぐみ(にしむかいめぐみ)食と生活部門兼任教員(農学部教授)が講演を行い、
32名の参加者に熱心に聴講いただきました。
脂質は、たんぱく質、炭水化物と共に三大栄養素の一つであり、
約9kcalのエネルギーを放出し
また、必須脂肪酸の供給、食品中の脂溶性成分の吸収、機能性脂質の摂取として重要な働きをしています。
体内の脂質は、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、糖脂質の4つに分けられ、それぞれ重要な役割を果たしています。
コレステロールとリン脂質は、細胞膜を形作る成分になり、コレステロールは、ステロイドホルモンやビタミンDの
原料になります。
リン脂質は、本来混ざわり合わない水と油の両方をなじませる性質(両親媒性)があります。
また、リン脂質の一種にプラズマローゲンがあります。
プラズマローゲンは高い抗酸化作用を発揮することができ、酸化ストレスによって引き起こされるさまざまな病気などから私たちの身を守っていると考えられていますが、加齢に伴い減少するため、抗酸化作用が発揮されにくくなると、体内には酸化ストレスによって生じた酸化物質が蓄積し様々な病気が引き起こされるようになります。
また、動脈硬化の危険性も増すことが報告されています。
脂肪は、あまりよくないイメージと誤解されがちですが、本講演ではとても大切な働きをしていることについて説明していただきました。
参加された皆様からは、「脂肪についてエネルギー以外の性質が知れてとても興味深かった。」、
「脂肪やコレステロールは悪いイメージだけがあったが利点があると初めて知りました。」など感想が寄せられました。
次回は12月21日(木)に、
【都市・農村における人間と野生動物の関係の再構築に向けて】と題し、
原科幸爾 生態環境部門兼任教員(農学部教授)が講演を行います。
今後も継続的に開催し、当センターの研究成果を、日常の身近な話題に落とし込みながら地域に向けて発信していきます。
ご参加をお待ちしております!