次世代アグリイノベーション研究センターの出口善隆准教授らは、イノシシの自動撮影映像を集積し、岩手県雫石町に生息するイノシシの日周活動性を推定しました。なお、東北地方北部に生息する個体について検討した事例はこれまでなく、研究成果は学術誌に掲載されました。
イノシシの1日の活動周期(日周活動性)には人間活動のほか、気温が影響することが報告されています。イノシシの分布拡大地域である東北地方北部で日周活動性を検討した事例はないため、岩手県雫石町において自動撮影カメラを用いた推定を行いました。春から秋にかけては日没前後に撮影回数のピークがありました。冬には日中に撮影回数のピークがありました。このことから、イノシシの日周活動性は冬には昼行型に変化する可能性が推察されました。イノシシは東北地方北部の冬の特徴である低温や積雪に対し、日周活動性を変化させることで適応している可能性が考えられました。
【発表論文】
タイトル :岩手県雫石町における自動撮影カメラを用いたイノシシの日周活動性の推定
著者 :千代島蒔人, 大竹崇寛, 渡邊 篤, 出口善隆
雑誌名 :哺乳類科学
DOI番号 :(掲載準備中)
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