次世代アグリイノベーション研究センターの出口善隆准教授らは、積雪期における調査の結果、イノシシの採食跡(掘り返し跡)の位置が林の植生と積雪の深さに関係することを突き止めました。なお本研究の成果が学術誌に掲載されています。
岩手県雫石町において積雪期にイノシシの足跡を追跡し、採食跡(掘り返し跡)調査を行いました。その結果、採食跡のあった位置は、林の植生と積雪深に関係することがわかりました。コナラ・ミズナラを主とする広葉樹林・混交林およびスギ林に採食跡が多く、調査日の積雪深が深くなると採食跡が少なくなりました。これらのことから、イノシシは積雪期には堅果類(ミズナラなど)を利用できる広葉樹林を好むことが示されました。また、積雪深が深くなると掘り返しが困難となり、落葉広葉樹と比べて積雪深が浅い常緑針葉樹林へと採食場所を移動させることが推察されました。
【発表論文】
タイトル :岩手県雫石町の積雪期において積雪深および林相がイノシシの掘り返しを伴う採食場所選択に与える影響
著者 :千代島蒔人, 大竹崇寛, 渡邊 篤, 出口善隆
雑誌名 :哺乳類科学
DOI番号 :https://doi.org/10.11238/mammalianscience.62.225
( クリックしていただきますと、拡大した図をご覧いただけます )