Fujiwara/ 9月 14, 2026/ RESEARCH TOPICS

亜熱帯原産のイネの生産において低温は極めて重要な制限要因であり,日本のみならず,世界中で大きな問題です.イネ穂ばらみ期耐冷性の育種において葯長は有効な指標です.本研究では東北地方と北海道の栽培品種で耐冷性が最も高いランクに分類される「ひとめぼれ」と「はやゆき」の組換え近交系を用い,葯長ならびに稔実歩合のQTL解析を行った結果,第6染色体に「はやゆき」由来で葯長を伸ばすqAL6を両温度条件で2シーズンで見出し,2025年の低温条件では稔実歩合を高めるqCTB7を第7染色体に「ひとめぼれ」由来で検出しました.本成果は気候変動が拡大する中で,イネの北限はなくなりません.世界の主食のコメ生産の安定化に品種改良の効率化を通じて強く寄与することが期待されます.

【発表論文】
タイトル :イネ耐冷性品種が持つ葯長を増加させるQTLの同定―「ひとめぼれ」と「はやゆき」の組換え近交系-
著者   :佐藤玲央,八幡勇也,竹生朝陽,髙砂ほのか,阿部陽,松波麻耶,下野裕之
雑誌名  :日本作物学会記事 (印刷中)