Fujiwara/ 9月 14, 2026/ NEWS

本センターでは、9月2日(水)にシンポジウム「コメの未来を東北から考える〜私たちは日本のお米を食べ続けられるのか?〜」を開催し、オンライン参加を含め272名の方にご参加いただきました。
本シンポジウムは、価格高騰「令和の米騒動」を背景に注目されるコメをテーマに、これからも私たちは日本で生産されたお米を食べ続けられるのかを、担い手の高齢化や後継者不足、それに伴う急速な農地集積が進む現状を踏まえて、米どころ東北から考えることを目的として開催しました。各分野で生産・販売や研究に携わる6名の講師をお招きし、異なる立場からの取組事例や課題についてご講演いただくとともに、活発な議論が行われました。

はじめに、三菱総合研究所の稲垣公雄様より、マクロ経済の観点から「令和のコメ騒動」、日本の農地保全・コメ生産の中長期見通しおよびその土台となる農村社会の見通しについて、需給関係と農政政策を中心に分析した結果をご講演いただきました。
2人目の株式会社西部開発農産の照井勝也様からは、生産者の立場から農業人口と農業経営体の推移と見通しについてご説明いただき、農業の多面的側面を踏まえたうえで一つの産業としてとらえる重要性についてご講演いただきました。
3人目のアイリスオーヤマ株式会社の田中伸生様からは流通の側面についてご講演いただきました。プラスチック製品などを取り扱っていた同社が東日本大震災を契機に「農業の復興なくして東北の復興はない」との考えのもとコメ事業に取り組み、生産から販売までを一気通貫して行うモデルについてお話しいただきました。
4人目の秋田ふるさと農業協同組合の小田嶋契様からは、農協の立場からコメの価格形成過程や需要に応じた生産についてお話があり、今後の農業経営の在り方として、農協は自立した農業経営者の集合体であるという論理を再確認する必要があるとのご指摘がありました。
最後に、水田の多機能的側面という観点から、岩手大学農学部水環境工学研究室の濱上邦彦より「水田のダム的機能と地域ごとの機能維持」、同農学部動物行動学研究室の出口善隆より「耕作放棄地と野生動物の関係」についてそれぞれ講演いたしました。

最後に、講師の皆様と農学部教員によるパネルディスカッションを行い、東北でのコメ生産の在り方を中心に意見交換を行いました。
シンポジウム終了後のアンケートでは、以下のようなご意見を多数いただきました。
・「異なる立場の講演が非常に興味深かった。」
・「様々なステークホルダーの視点から稲作が語られ、非常に迫力がありかつ勉強になった。」
・「令和のコメ騒動における米価格の暴騰・暴落の仕組みがよく分かった。」
・「コメを食べ続けるための大きな方向性は共有できたが、各論になると立場の違いが見え、解決策を具体化するのは難しいと感じた。」
・「消費者の立場からの話も聞いてみたい。」

今後もセミナー等を継続的に開催し、当センターの活動や研究成果を日常の身近な話題と
して地域の皆様に発信してまいります。