2026年10月23日(金)、食と生活部門による企業視察の企画として、岩手県花巻市の食品製造会社の佐々長醸造株式会社と銀河フーズ株式会社の2社を訪問しました。
「佐々長醸造株式会社」では、創業120年の会社の歴史と、その歩みを支えてきた醸造・発酵の技術についてお話を伺いました。はじめに、醸造に欠かせない良質な水について、ナチュラルミネラルウォーター「早池峰霊水」としても知られる仕込み水の特徴をご説明いただきました。続いて、醤油製造については、近年の機械を使う製法とは異なり、木桶を使用し、職人が手作業で諸味を撹拌する伝統的な製法をご紹介いただきました。木桶が並ぶ「醤油諸味蔵」でお話を伺うことができ、日本が誇る自然と調和した醸造・発酵技術を体感することができました。味噌製造では、クラシック音楽が静かに流れる蔵で熟成させることの効能についてお話を伺いました。つゆの製造では、「だし」へのこだわりや、自社製の醤油と組み合わせることで人気の商品が完成することをご説明いただきました。そうしたこだわりが、多くの人々に支持され、著名人にも愛用されていることを知りました。
「銀河フーズ株式会社」では、会社概要や製品ラインナップについてお話をいただいた後に実際の製造現場を見学させていただきました。徹底した衛生管理のもとで行われる豚肉や鶏肉の加工現場、さらにそれらをソーセージやハムなどの加工品とする作業工程、完成した製品の検品体制をご説明いただきました。また、全製造品の品質検査を実施し、万が一、製品に不具合が確認された場合は、店頭に並ぶ前に対応できる体制を組んでいることなどを伺い、食品の安全性と消費者の安心を確保するための徹底した品質管理の重要性を実感しました。また、塩分や糖質の低減に配慮した商品開発などにも取り組み、おいしさに加えて、健康への貢献も意識した食品づくりをしていることについても理解を深めることができました。
今回の視察では、両社とも地域の食材を取り入れ、地域の食文化を支える姿勢を強く感じました。一方で、気候変動による伝統的な製法を維持することの難しさ、収益となる新たな製品の開発、製造工程における廃棄物のコストや削減など、食品企業が直面する課題を考える機会になりました。参加した教員一同、食品製造の現場から今後の教育や研究活動へ活かせる多くの刺激を得ることができました。

