次世代アグリイノベーション研究センターの出口善隆准教授らは、岩手県盛岡市の都市緑地に生息する日本リスの緑地間移動の性差と季節変化について、無線発信機を用いた追跡調査を行い、その成果が学術誌に掲載されました。
都市緑地は都市における生物の重要な生息地ですが、都市緑地の分断化が進むことにより多くの野生動物の生息に悪影響が及ぶことが知られています。岩手県盛岡市の都市緑地に生息するニホンリスの緑地間移動の性差と季節変化を明らかにするために、無線発信機を用いた追跡調査を行いました。オス8頭、メス10頭を追跡した結果、11頭で合計204回の緑地間移動を行いました。移動頭数はオスの方が多かったです。また、オスは展葉期(春)に緑地間移動が多く、樹冠開放期(冬)に著しく少なくなりました。性差は雌雄間の生息地利用や行動圏サイズの違いから生じ、季節変化は餌資源の変化と捕食リスクの回避によるものと考えられました。
【発表論文】
タイトル :都市部に生息するニホンリスの緑地間移動の性差と季節変化
著者 :大竹崇寛, 西 千秋, 原科幸爾, 出口善隆
雑誌名 :哺乳類科学
DOI番号 :https://doi.org/10.11238/mammalianscience.62.151
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