7月12日(水)「第13回一般・高校生向けセミナー」を開催しました。
第13回は【新技術を利用した持続可能な森林管理を目指して】の演題で、
齋藤仁志(さいとうまさし)生態環境部門兼任教員(農学部准教授) が講演を行い、
45名の参加者に熱心に聴講いただきました。
森林は生物多様性の保全、土砂災害の防止、水源の涵養、木材生産、二酸化炭素吸収など、
極めて多くの多面的機能を有しています。
この多面的機能を発揮するためには、適正な森林管理をすることが重要です。
森林管理では、植えたら伐って(間伐)管理する、伐ったら植えるが不可欠です。
一方で、伐って植える持続的な森林管理を行うには、林業経営の安定が欠かせません。
木材は、大幅な価格向上は期待できないため、収穫費用の低減が課題です。
効率的な機械や作業システムを導入することで低減の可能性を考えています。
機械化には、木材を伐って出す道がなくてはなりませんが、日本の地質は複雑で路網開設には様々な技術が必要のため、詳細に森林をみる、レーザー計測・ドローン・空間情報処理技術などの情報化技術の活用が重要です。
持続的な森林管理を行うためには、安定した林業経営が欠かせず、新技術を導入し効率的で安全な管理・作業を行っていくことが求められています。
ご講演では、現在進めている新技術導入について、林業機械の動画を交えながら、丁寧に説明していただきました。
参加された皆様からは、「日本の林業が欧米ほど進まない現状やその理由、前進に向けての対策や課題について知ることができた。」、「林業でも、機械化や情報を活用することが必要だと分かった。」、「実際の林業(機械)の実体がわかった。」など、感想が寄せられました。
次回は9月1日(金)に、
【食料危機に立ち向かえ!持続可能な食料生産:地球温暖化への適応品種の利用】と題し、
下野裕之 生物生産部門兼任教員(センター長/農学部教授)が講演を行います。
今後も継続的に開催し、当センターの研究成果を日常の身近な話題に落とし込みながら地域に向けて発信していきます。
ご参加をお待ちしております!