Fujiwara/ 7月 31, 2023/ RESEARCH TOPICS

 

次世代アグリイノベーション研究センターの下野裕之教授と農研機構・東北農業研究センター(現・農業環境技術研究部門)の熊谷悦史博士は、将来の大気CO2濃度上昇に適応する品種特性として、節当たりの莢数が増えやすいという特性が重要性であることを初めて明らかにしました。

 

化石燃料の大量消費により、大気CO2濃度は400ppmを超え、さらに増加が予測されています。将来の高い大気CO2濃度環境に適応した作物品種の育成は食料の安定供給において極めて重要です。特に、ダイズは油糧作物として世界での需要が近年、急激に拡大しており、その需要を満たすことは喫緊の課題となっています。

本研究では、世界のダイズ6品種について、大気CO2濃度上昇の効果を、大気CO2濃度と気温を同時に制御できる世界でも珍しい温度勾配チャンバー(TGC)を用いて評価しました。

ダイズの収量の決定要素として、栽植密度(本/m2)×個体あたり節数(個/本)×節あたり莢数(莢数/節)×莢あたり子実数(個/莢)×1粒重(g/子実)の5つの要素に分けて解析できます。既存の研究の多くにおいて、個体あたりの節数の大気CO2濃度上昇による増加が収量増加の要素であるという報告がある中で、本研究では、新たに、節当たりの莢数の増加が重要であり、品種HarsoyやMandarinが持つこの能力の今後の育種素材として利用できる可能性を示しました。

得られた基礎知見は、持続可能なダイズ生産に向けた育種の重要な基礎的な知見となります。

【発表論文】
タイトル :Determinants of genotypic variations in the yield response of soybean to elevated
atmospheric CO2
著者   :Kumagai, E., Shimono, H.
雑誌名  :Journal of Agircutlural Meteorology:79 (3)109-113 (2023)
DOI番号 : https://doi.org/10.2480/agrmet.D-23-00009