次世代アグリイノベーション研究センターの下野裕之教授は、アフリカ東部エチオピアのイネ生産力が日本より低い要因を、数理モデルを用いた気象学的な解析また栽培学的な解析から定量的に明らかにし、今後の改良について議論を行いました。本国際共同研究の成果は、国際学術誌 Journal of Agricultural Meteorology誌（IF 1.4 in 2023）に発表しました。
エチオピアの標高が2000m以上と高く冷涼な地域でありイネの生産力が低い。イネの需要は拡大傾向が続いており、生産性が低い要因の解明は急務である。本研究では、生産現場である農家圃場での収量が低い要因を、（１）最適な試験場での管理を行った条件の収量ならびに（２）数理モデルを用いて気象資源から評価した潜在収量の視点から解析した。
その結果、生産現場である農家圃場の収量がエチオピアで日本より低いのは、気象資源としての潜在収量が最適な栽培条件での収量が低く、また最適な条件での収量と農家圃場とのギャップが大きいことを明らかにしました。本研究は、エチオピア農業研究センター稲研究所とJICAとの国際共同研究の成果です。
【発表論文】
タイトル ：Comparison of rice yield potential in Ethiopia and in northern Japan: an experimental and modeling study.
著者 ：Zelalem ZEWDU, Mulugeta ATNAF, Reo SATO, Ryuji ISHIKAWA, Akira ABE, Maya MATSUNAMI,
Hiroyuki SHIMONO
雑誌名 ：Journal of Agricultural Meteorology
2025 Volume 81 Issue 1 Pages 36-43
DOI番号 ：https://doi.org/10.2480/agrmet.D-24-00022
