Fujiwara/ 7月 28, 2026/ NEWS

7月24日(金)、「第37回 一般・高校生向けセミナー」を開催しました。今回は「地域の食材や未利用資源に眠る新たな価値の発掘と有効活用」をテーマに、上杉 祥太 准教授(生物生産部門・農学部)が講演を行い、42名の方にご参加いただきました。

セミナーでは、地域の食材や未利用資源がもつ有用成分・健康機能性の活用事例についてご説明いただきました。

まず、機能性表示食品の開発についてお話いただきました。食品は、機能性の表示ができない「一般食品」と、表示ができる「保健機能食品」に大きく分かれ、後者はさらに「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」に分類されます。機能性表示食品はペットボトルのお茶などが思い浮かびますが、ナス、カボチャ、寒じめほうれん草などの生鮮食品でも認められています。久慈市や八幡平市などで栽培されている寒じめほうれん草には、紫外線やブルーライトから目を守る「ルテイン」が多く含まれています。機能性表示を行うことで、生鮮食品が持つ本来の有用性を消費者に直接伝えられるようになっているとのことです。

次に、未利用資源の活用法創出と既存製品の高付加価値化についても触れられました。食経験がない未利用資源であっても優れた機能性を持つものがあるため、参入ハードルが比較的低いスキンケア用品での活用事例が紹介されました。県内企業や岩手生物工学研究センター等との共同開発により、ひえのヌカ(抗酸化作用等)や食用ほおずきの葉(強力な抗炎症作用)など、県内産物の加工残渣・未利用資源を使ったスキンケア商品の開発に成功し、広く流通している事例が紹介されました。
既存製品の高付加価値化としては、全国シェアの8割以上を占める岩手県の「漆」の事例について紹介がありました。漆の種子を焙煎して「漆茶」にすることで血圧上昇を抑制する効果が期待されており、既存製品の新たな需要創出への貢献が期待されています。

最後に、地域独自品種の差別化についても説明がありました。がん予防効果が期待できる食品としてニンニクが挙げられますが、県内で生産されている「八幡平バイオレット」は機能性成分「アリシン」が他品種に比べて有意に多く、販売時のアピールポイントとして活用されています。また、ポリフェノールが多く含まれるフキノトウについても、品種改良により機能性を残したまま食べやすくした「マイルドばっけ」の生産事例が紹介されました。

参加者からは次のような感想が寄せられました。
「岩手出身の先生が岩手のために頑張りたいという思いが伝わってきました」「今回のように産学官連携で成果を上げた事例をもっと知りたい」「春の味覚として楽しんでいた”ばっけ”(フキノトウ)に脂肪蓄積抑制成分があるのは知らなった。来春は心して食べたい。」などの声がありました。

今後も毎月程度のペースで継続開催し、当センターの研究成果を日常の身近な話題に落とし込みながら地域へ発信してまいります。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。