Fujiwara/ 12月 6, 2022/ NEWS

イネは私たち日本人の主食であり、高い食料自給率を維持している作物ですが、生産を行う担い手の高齢化や
新規の担い手不足により、経営を支えるための省力技術の開発が必須です。
その切り札として岩手大学が考案したのが、収穫をしながら次年度の種子を同時に播いてしまう「収穫同時播種」です。

岩手大学次世代アグリイノベーション研究センター、山形大学、㈱石井製作所の研究チームでは、次世代農業
「イネの『収穫同時播種』」の課題解決と普及を目指し、共同研究を進めています。

「収穫同時播種」の課題は、収穫時期はまだ気温や地温が高く、早く播種してしまうと、土の中で種子が動いてしまい、
越冬できないことが挙げられます。
その課題を解決するため、岩手大学次世代アグリイノベーション研究センター 生物生産部門 下野センター長、芝﨑准教授、
山田准教授のメンバーでは、自然由来の材料から疎水性を持った素材を開発し、種子をコーティングできないか検討を行っています。

もう一つの課題として挙げられるのは、収穫を行うコンパインに簡易に装置できる播種機械の開発です。
不耕起条件の固い圃場に安定的かつコンバインに負荷をかけずに播くことは極めて難しく、その機械の開発を
山形大学と㈱石井製作所が担っております。

コーティング種子の初めての実地試験のため、先日、令和4年10月28日、山形大学農学部附属農場(山形県鶴岡市)で
播種作業を行いましたので、その様子をご紹介します。
無事に播種を終えることができたほか、機械の強度面における課題が明らかになるなど、収穫が多くありました。

 

*機械と播種の様子は下記の画像をクリックするとご覧いただけます*