次世代アグリイノベーション研究センターの出口善隆教授らは、サシバエによる飼育トナカイへの吸血被害について研究を進めています。この度、動物園で飼育しているトナカイについて、フルメトリン1%製剤噴霧施用後における体表のサシバエ数減少の持続期間を計測し、その研究成果が学会誌に掲載されました。
日本の動物園において、サシバエによるトナカイの吸血被害が発生しています。フルメトリン1%製剤噴霧施用後のトナカイ体表のサシバエ数の減少の持続期間を明らかにすることを目的としました。
秋田市大森山動物園の飼育トナカイ4頭を供試し実験を行いました。製剤施用前にトナカイ体表のサシバエ数を調査し、その後、トナカイの四肢および腹部にフルメトリン1%製剤10mlを噴霧しました。トナカイ体表のサシバエ数を10〜15時の間に目視およびビデオカメラ画像から計測しました。製剤施用前と製剤施用後についてMann-Whitney検定によって比較しました。
調査は8月17日から8月26日までと、8月29日から9月15日までの2期間に行いました。期間1では製剤施用後5日目まで、期間2では製剤施用後9日目までのトナカイ体表のサシバエ数が減少しました。
【発表論文】
タイトル :飼育下トナカイへのフルメトリン1%製剤施用後のサシバエ飛来数変化の持続期間
著者 :出口善隆, 小林美早紀, 黒石涼太, 柴田典弘, 小松 守
雑誌名 :動物の行動と管理学会誌
DOI番号 : https://doi.org/10.20652/jabm.59.2_25