Fujiwara/ 5月 9, 2024/ RESEARCH TOPICS

次世代アグリイノベーション研究センターの下野裕之教授と松波麻耶准教授らの研究グループは,環境負荷を軽減する新たな施肥法「深層施肥」が肥料の利用効率を高め,収量を高めることを明らかにし,国際学術誌Journal of Soil Science and Plant Nutrition誌(インパクトファクター3.9)(2022年)に発表しました。

 

環境への負荷の軽減は農業生産において大きな課題です。その負荷軽減のため,通常は肥料は土中に均一に混和して施用しますが,深さ10~15cmに局所的に施用する新たな施肥法「深層施肥」を検討しました。結果,通常の施肥条件(Mix)に比べて,深層施肥(DP1,DP2)で窒素(N)のみならず,リン酸(P),カリ(K)の利用効率を高めることを明らかにしました。

このことは環境負荷を軽減しつつ,私たちの生存に必要な食料を安定的に生産できる新たな施肥方法「深層施肥」の有効性を示した成果であり,得られた基礎知見は、持続可能な農業生産に向けた重要な基礎的な知見となります。

【発表論文】
タイトル :Effects of deep placement of fertilizer on growth, productivity, and fertilizer use efficiency of rice in cool climatic region.
著者   :Mumtahina, N., Yoshinaga, K., Moriwaki, A., Uemura, M., Matsuoka, A., Shimono, H. and Matsunami, M.
雑誌名  :Journal of Soil Science and Plant Nutrition (2024)
DOI番号 : https://doi.org/10.1007/s42729-024-01723-y