Fujiwara/ 5月 9, 2024/ RESEARCH TOPICS

次世代アグリイノベーション研究センターの下野裕之教授らは、最近注目されている作業分散技術であるイネ初冬直播き栽培における窒素施肥は溶出タイプがシグモイド型の緩効性肥料が有効であることを明らかにしました。

 

イネ初冬直播き栽培は、春作業の分散技術として注目されています。新しい栽培技術であるため、イネの多収を達するための最適な施肥法についての知見がありません。

本研究では、最適な施肥体系を構築するため、被覆尿素の溶出パターン7~8種類を2シーズンにわたり調査しました。

その結果、リニア型被覆尿素(以下、リニア型)は初冬から春の苗立ち前の期間に最大65%の窒素成分が溶出した。一方で、シグモイド型被覆尿素(以下、シグモイド型)は冬季の溶出が抑制され、イネ初冬直播き栽培での利用に適すると考えられました。

得られた基礎知見は、イネ初冬直播き栽培を実用技術として導入する際の重要な基礎的な知見となります。

【発表論文】
タイトル :イネ初冬直播き栽培における被覆尿素の最適溶出パターン
著者   :早坂和希・松波麻耶・下野裕之
雑誌名  :日本作物学会紀事 93: 163-164 (2024)
DOI番号 : https://doi.org/10.1626/jcs.93.163