Fujiwara/ 7月 4, 2023/ RESEARCH TOPICS

 

次世代アグリイノベーション研究センターの下野裕之教授らは、持続可能な水稲生産の実現のため、深層施肥を行うことで根の成長を促進し、肥料の吸収効率を高めることに成功しました。

 

2050年までに90億人に達する世界人口を扶養するため、食料の増産とともに、環境への負荷をできる限り軽減する持続可能な技術体系の確立が強く求められます。本研究において、肥料を深層に局所施用したところ、慣行法である土層への均一な施肥に比べ、根の成長を促進させました。その結果、施用した3成分(窒素,リン,カリウム)の吸収効率を高めるだけでなく、土中に自然に存在する他の成分(カルシウム,マグネシウム)の吸収も高めることを見出しました。
本知見は、環境負荷を軽減した持続可能な水稲生産の基礎的な知見に位置付けられます。

【発表論文】
タイトル :Deep placement of fertilizer enhances mineral uptake through changes in the root system architecture in rice
著者   :Nabila Mumtahina, Aya Matsuoka, Keigo Yoshinaga, Aozora Moriwaki, Moe Uemura, Hiroyuki Shimono & Maya Matsunami
雑誌名  :Plant and Soil (2023)
DOI番号 : https://link.springer.com/article/10.1007/s11104-023-06066-8

 

 

 

 

 

 

 

 

        図.深層施肥(DP)により水稲の根圏を深層に誘導することに成功