次世代アグリイノベーション研究センターの下野裕之教授と農研機構中日本農業研究センターの大平陽一研究員の研究グループは、最近注目されている作業分散技術であるイネ初冬直播き栽培を北陸地域で実証しました。
イネ初冬直播き栽培は、春作業の分散技術として注目されています。新しい栽培技術であるため、それぞれの地域の気象に応じ、地域の品種を用いた実証が求められていました。
試験の結果、北陸地域の主力品種で35~68%の出芽率を達成し実用性があることを明らかにするとともに、前年産種子は出芽率が当年産種子に劣りやすい点、チウラム水和剤の種子コーティングが出芽率を向上させる点を明らかにしました。収量性をみる試験を行ったところ、北陸地域の平均収量約520kgと同等の収量性が現地実証で得られ、実用性が確認されました。
得られた基礎知見は、イネ初冬直播き栽培を実用技術として導入する際の重要な基礎的な知見になります。
【発表論文】
タイトル :2024 北陸地域の水稲初冬直播き栽培における出芽・苗立ち性および収量性
著者 :大平陽一・加藤仁・下野裕之
雑誌名 :日本作物学会紀事 93: 107-121. (2024)
DOI番号 : https://doi.org/10.1626/jcs.93.107