Fujiwara/ 6月 2, 2023/ RESEARCH TOPICS

 

次世代アグリイノベーション研究センターの袁春紅教授らは、太平洋真牡蠣の鮮度保持方法に着目し、
-1℃超冷却保存で殻付きカキの鮮度保持の有効性を明らかにしました。

 

 

最近、オイスターバーの人気が高まり、生カキの需要が増加しています。以前の研究によると、低温下での酸素のない長時間の空気曝露でも、カキは生き残ることができます。一般的に、日本の市場では貝殻付きの生カキの賞味期限は冷蔵保存で約3日間です。損失を最小限に抑え、品質を維持することにより、カキの賞味期限を延ばすことは、経済的な影響を与え、製品を最大かつ遠隔の市場に届けるのに役立ちます。これまでの研究によると、低温保存はカキの死亡率と栄養素の損失を減らすことができます。したがって、できるだけカキが凍結しないように保管することは、カキの生存率を高め、品質を維持するために役立ちます。

本論文は、まずは太平洋真牡蠣の凍結点を調べ、スーパーチリングの保存温度を決定しました。-1℃でのスーパーチリング保存では、殻付きカキの賞味期限を21日間に大幅に延長できます。-1℃の保存では、微生物の増殖を効果的に防止できます。また、保存期間中の21日間、カキの生存率が高く、生食にまだ受け入れられます。一方、貝柱は殻付き牡蠣の新鮮さを測定するために最も適した部位です。牡蠣の貝柱中のpH値とAEC値は新鮮さの指標として使用できます。したがって、スーパーチリングは、殻付きカキの保存において効果的な方法としてお勧めできます。

【発表論文】
タイトル :Effect of super-chilling storage on maintenance of quality and freshness of the Pacific oyster (Crassostrea gigas)
著者   :Shiliang Dong, Yabin Niu, Huamao Wei, Yumeng Lin, Xin Lu, Tetsuro Yamashita, Kefeng Yu, Koichi Takaki, Chunhong Yuan
雑誌名  :Food Quality and Safety
DOI番号 :10.1093/fqsafe/fyad008