2月19日(水)に本センターでは「SDGs達成に向けた岩大生のアイディア:次世代アグリ学生プロジェクト成果報告会」を開催し、 未来を担う学生の皆さんが自発的に企画・実施した持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けたプロジェクト3件について、それぞれの1年間の活動成果を発表していただきました。
〇「サクラマスの未利用部分のサケフレーク試作」プロジェクト
「サクラマスの未利用部分のサケフレーク試作」プロジェクトでは、ほとんど食品として活用されることのない産卵後のサクラマスを活用した「サケフレーク」試作の取組について発表を行いました。発表では、岩手大学釜石キャンパスで養殖しているサクラマスと県内で養殖されたニジマスの未利用魚を使い試作したサケフレークについて、加工方法による栄養価や食感などの違いなどの比較データについて報告しました。次いで、加工と調味料の工夫次第では食味、栄養価とも遜色ない食材として活用が期待できること、サケフレークとして活用できればフードロス削減に効果がある点について提案がありました。
〇「ビール麦の遠隔管理」プロジェクト
「ビール麦の遠隔管理」プロジェクトでは、ビール産業が盛んな岩手県でのビール麦の生産に着目し、岩手県内のブルワリーや農家へ現地調査を行いました。その結果、少人数での農地管理や品質管理について課題を感じていることがわかり、農家の負担軽減と農地管理の問題の解決として、遠隔で農地の見守りと栽培データ収集に活用できる「スマートかかし」を提案しました。また、「スマートかかし」の試作と農地での導入試験を通じて、工学分野の専門家の意見や他研究機関の専門家からのアドバイスを得られたこと、今後の改善点などについても報告があり、引き続き、今回の活動で得られたネットワークを活かして生産現場での省力化や品質向上を目指し、持続的な農業に貢献していきたいとの抱負がありました。
〇「盛岡在住の大学生・高校生を対象とする魚食普及活動」プロジェクト
「盛岡在住の大学生・高校生を対象とする魚食普及活動」プロジェクトの発表では、まず魚の消費の現状や温暖化による三陸沿岸で獲れる魚の変化について紹介がありました。次いで釜石沿岸でとれた未利用魚の利用拡大に向けて、岩手県でも内陸地である盛岡で中高生や大学生を対象とした魚の捌き方や調理、解剖などの体験会を開催ししたこと、チラシやSNSで募集をして多くの方に参加いただいたことについて発表があり、一般家庭で魚食を普及させる上でのポイントや課題が報告されました。学生からは、魚食の普及活動を続けながらSNSなどを通じて広く発信するとともに、より効果的な普及方法や地域の水産流通に貢献できる企画を進めていきたい、と今後の展望についてお話しがありました。
参加者からは「どのプロジェクトも大変興味深い」「アイディアがとてもよい」「ぜひ継続してほしい」といったコメントをいただき、報告会終了後も発表学生と参加者との間で熱心に意見交換が行われました。
プロジェクトにご参加いただいた学生の皆さん、1年間どうもありがとうございました!来年度も引き続き、学生さんの独創的なアイディアをお待ちしております。